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従業員から残業代請求された!対応方法を弁護士が解説!

  • 労働問題

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会社を適正に運営していくには、労使問題への対策をとっておくことが重要です。特に、近年では労働者の権利意識が強くなっていることなどもあって、従業員から雇用会社への残業代請求が頻発しています。

企業が残業代請求をされたときには、適切に対応をしないと、民事裁判をされて高額な支払い命令が出てしまったり、刑事処罰を受けたりすることがあるので、注意が必要です。以下では、企業が従業員から未払の残業代請求をされた場合の対処方法について、弁護士法人YMPの弁護士が解説します。

残業代請求に対応するための基本知識

近年、各種の業種において、残業代請求が頻発しているので、自社とも無縁ではないと心配されている経営者の方が多いのではないでしょうか?

残業代請求に対応するため、まずは残業代についての基礎知識を押さえておきましょう。

残業代が発生するケースと基本的な計算方法

まずは、残業代が発生するケースと基本的な計算方法をご説明します。

労働基準法は、法定労働時間を定めています。基本的に、1日8時間、1週間に40時間が上限となっており、それを超えて働かせる場合には、割増賃金が必要です。法定労働時間を超えて労働した場合には基礎賃金の1.25倍となりますし、午後10時から午前5時までの深夜時間に労働した場合には基礎賃金の1.5倍となります。休日出勤のケースでは、1.35倍です。

未払残業代の計算方法は、以下の通りです。

  • 1時間あたりの基礎賃金×残業した時間×割増し率

退職した従業員も残業代請求をしてくる

企業が残業代を支払っていない場合、退職した従業員から突然残業代請求をされて困惑してしまう例が多く見られます。

残業代には時効があります。その期間は、請求できる状態になってから2年であり、在職しているかどうかは関係ありません。そこで、残業代の発生後2年の間は、もとの従業員からであっても残業代請求される可能性がありますし、支払いに応じなければ裁判をされてしまうことも考えられます。

「あの従業員は円満退職したから、もう残業代を請求されることはない」というわけにはいかないので、注意しましょう。

残業代不払いで刑事処罰を受ける

残業代は、賃金の1種ですから、残業代の未払いは、賃金不払いと同じです。賃金の受給権は労働者の重要な権利ですから、企業が残業代を支払っていないと、刑事処罰を受ける可能性もあります。たとえば、労働者の過労死などをきっかけとして企業の残業代不払いが発覚すると、刑事事件となり、企業が労働基準違反で送検されたり裁判になったりすることもあります。

刑罰の内容は、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金刑です。刑事事件になると、企業に対する信用も大きく低下しますし、ブラック企業と評価されて、新入社員を集めることなども難しくなり、企業の力が失われてしまうので、くれぐれもそのようなことのないようにすべきです。

遅延損害金を請求される

従業員から未払の残業代を請求されるとき、「遅延損害金」が加算されることに注意が必要です。遅延損害金とは、支払いを怠っていたことによる損害賠償金のことです。

企業が雇用者の場合には、基本的に年6%となりますが、従業員の退職後は年14.6%となります(賃金の支払いの確保等に関する法律)。そこで、もとの従業員から残業代請求をされるとき、退職するまでは年6%、退職後支払いまでの間は年14.6%の高額な遅延損害金が加算されるので、企業の負担額がどんどん膨らんでしまいます。

残業代請求をされた場合の正しい対応方法

以上を前提に、残業代請求をされたときの正しい対応方法をご紹介します。

まずは、計算が正しいか確認する

従業員から残業代請求をされたら、まずは請求内容が正しいかどうかを検討しましょう。時効消滅している権利はないのかを確認し、計算方法が合っているかどうかもチェックすべきです。遅延損害金の計算方法などが正確にわからない場合には、弁護士に相談をしましょう。

支払い方法について交渉をする

従業員からの請求金額が合っているとしても、全額を一括で払わなければならない、ということではありません。もちろん、支払えるならそれで問題ないのですが、高額になっている場合などには、言われたままに支払うと、企業の財務状況を圧迫してしまう可能性があります。そこで、交渉により、支払える範囲に減額してもらったり、分割払いにしてもらったりすることが必要です。未払いの期間が長くなると、高額な遅延損害金が発生していることも多いですが、交渉によってカットしてもらうことなども可能です。

合意書を作成する

話合いにより、支払いができる範囲を設定して労働者と合意ができたら、合意書を作成しましょう。合意書には、定まった残業代の支払い以外にはお互いに債権債務関係が残らないように、必ず「精算条項」を入れておく必要があります。

合意書を作成したら、その後、その内容に従って支払いをします。支払いを終えたら、残業代トラブルを解決することができます。

労働審判になるケース

従業員が、残業代の計算方法を間違っているのにそれを認めない場合や、支払い方法について合意ができない場合には、任意の話合いによっては解決することができません。その場合、労働審判による解決が必要になる可能性があります。

労働審判とは、事業者と従業員との間の労働トラブルに特化した紛争解決の手続きです。裁判所で、専門の労働審判員の介入のもと、労働者と話合いをしたり、審判によって解決方法を決定してもらったりすることができます。

労働審判をすすめるとき、最終的には裁判所が審判を下しますから、それに備えて綿密に主張書面や証拠などを揃えておく必要があります。審判内容に不服がある場合には、異議申立をすることも可能です。

労働訴訟になるケース

従業員と残業代トラブルになった場合、労働訴訟を起こされることも考えられます。労働訴訟は裁判手続きですから、双方が提出した書面により、裁判官が最終的に判決を下すことによって紛争を解決します。

訴訟活動が不十分な場合には、自社に対して不利益な判決が出てしまう可能性も高くなるので、注意が必要です。有利に訴訟を進めるためには、弁護士に対応を依頼することが必須となります。

残業代請求への対応を弁護士に依頼するメリット

残業代請求をされたときには、正確に残業代を計算し直す必要がありますし、労働者との交渉も必要です。交渉が決裂した場合には、専門的な裁判所での対応を要求されます。

こうした手続きを適切に進めるためには、労働トラブルに強い弁護士に対応を依頼する必要性が高いです。自社で対応すると、支払いが不要な高額な残業代を支払わなければならなくなるおそれもありますが、弁護士に依頼すると、経営を圧迫しないで企業側に有利となる解決を導くことが可能となります。

また、日頃から弁護士に相談をしていると、弁護士が会社の給与計算方法や支払い状況を確認して、「そもそも未払い残業代が発生しない体制」を整えることもできます。このことによって無用な残業代トラブルを予防できるので、企業には大きなメリットがあるでしょう。

従業員からの残業代請求への対応は、弁護士法人YMPにお任せ下さい

弁護士法人YMPは、中小企業法務に精通している弁護士事務所です。ご相談を頂けましたら、そもそも未払残業代が発生しないように、適切にアドバイスをいたしますし、万が一残業代トラブルに発展してしまったケースでも、企業の代理人として、無理のない範囲で支払いができるよう交渉を進めます。

当事務所では、スムーズかつ丁寧な対応を心がけており、多くの企業様と顧問契約を締結しております。これからの残業代トラブルに効果的に備えたい企業様は、是非とも一度、お気軽にご相談下さい。