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顧問弁護士の費用相場はどのくらい?

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顧問弁護士と契約をすると、日々の法律相談やアドバイスを無料で受けられるなど、さまざまなメリットがあります。ただ、顧問弁護士と契約をすると、高額な費用がかかると心配されている企業様も多いのではないでしょうか?実際には、顧問弁護士を入れると、支払う費用以上の見返りがあるものです。

今回は、顧問弁護士の費用相場について、弁護士法人YMPの弁護士が解説します。

顧問弁護士の費用は、月額3~5万円

顧問弁護士と契約をするとき、費用は月額料金になることが一般的です。気になる金額は、どのくらいになるのでしょうか?

少し古いデータではありますが、2009年に日弁連がとった弁護士に対するアンケートによると、一般的な中小企業との顧問契約の顧問料は、5万円がもっとも多く41.7%、3万円が2番目に多く36.5%となっています。つまり、4分の3以上の弁護士が、月額3~5万円で顧問料を設定しているということです。

今でも、この費用感は大きく変わっていないと感じます。ただ、最近では、月額1万円やそれ以下などの、非常に安い価格設定をしている弁護士も見られるようになっています。

顧問料に含まれるサービスの範囲

通常の3万円~5万円程度の顧問契約の場合、どのようなサービスが含まれているのかも見ておきましょう。事務所にもよりますが、以下のようなものが料金に含まれていることが多いです。

  • 日々の法律相談(月々3時間程度が目安)
  • 契約書の簡単なチェック
  • 定期的な経営戦略会議(会社または事務所にて)
  • 事件対応費用の割引き

ただし、事務所によっては、上記のうち、含まれるものと含まれないものがあります。いくつかの料金コースがあり、高いコースではサービスが手厚くなり、安いコースでは、少し法律相談ができるだけ、という事務所もあります。顧問契約を締結するときには、どのようなサービスがどの程度の費用で受けられるのか、しっかりと説明を受けて、正確に理解しておく必要があります。

顧問弁護士契約によって、どのくらい費用が割り引かれるのか

顧問弁護士と契約をすると、実際の事件対応の費用が割り引かれることが多いのですが、実際にどのくらいの割引きになるのかはイメージできていない方がほとんどでしょう。上記の日弁連のアンケートでは、さまざまなケースにおける弁護士費用の相場についての調査が行われています。

以下で、ケースごとに、顧問契約がある場合とない場合との料金の比較結果をご紹介していきます。

特殊な相談の場合の費用

特殊な専門分野の相談については、一般的な相談よりも高額な費用がかかるものです。顧問契約がなければ、1時間の平均額は「17534円」でした。これに対し、顧問契約をしている場合の平均額は、「7887円」となっており、「無料」と回答した弁護士も31.5%に及んでいます。

自社の取り扱い分野が特殊な企業は、顧問弁護士と契約をしておくメリットが特に高いと言えます。

契約書作成費用

顧問契約をしていても、契約書の作成を依頼すると別途費用がかかることが普通です。契約書の費用は、内容によっても異なりますが、日弁連のアンケートでは、取引額1000万円の契約作成についての調査をしています。

結果、顧問契約がない場合には「10万円前後」という回答が最も多く、43.8%でした。平均額は114460円です。これに対し、顧問契約がある場合には「5万円前後」という回答が最も多く、49.0%となっています。平均額は65169円です。

毎月の顧問料が5万円かかるとしても、契約書を1通作ってもらったら、元を取れる計算となります。

債権回収にかかる費用

中小企業の法務対応では、債権回収が必要になることも多いです。その場合「着手金」と「報酬金」がかかります。日弁連のアンケートでは、2000万円の売掛金回収にかかる金額について、調査を行っています。

結果、顧問契約がない場合に、着手金は「100万円前後」と答えた弁護士がもっとも多く、44.4%でした。報酬金は「200万円前後」と回答した弁護士がもっとも多く、58.2%となっています。合計で300万円くらいかかる計算です。

これに対し、顧問契約がある場合には、着手金は「50万円前後」と答えた弁護士がもっとも多く、53.3%でした。報酬金は「100万円前後」と答えた弁護士がもっとも多く、35.2%です。合計で、150万円程度で済むので、顧問契約がない場合の半額程度となっています。

この結果からすると、何か1つ大きな案件があると、顧問弁護士の月額費用(月額5万円としても年間60万円)は、一気に吸収できてしまうことになります。

事業承継にかかる費用

中小企業では、事業承継に悩むことも多いのではないでしょうか?日弁連のアンケートでは、資産5000万円の方の事業承継(遺言書作成、遺言執行者)のケースでどのくらいの弁護士費用がかかるのかについて、調査が行われています。

顧問契約がない場合、もっとも多かった回答は「20万前後」で28.9%、次いで「30万円前後」の27.3%、平均は「251761円」でした。

これに対し、顧問契約がある場合、もっとも多かったのは「10万円前後」の42.4%、平均額は「182721円」です。顧問契約ありの場合「10万円前後」の弁護士が半数近くいますが、そうした弁護士と顧問契約をしていたら、顧問契約なしの場合の半額以下で済ませることができるということです。

顧問弁護士費用の金額と弁護士の能力について

顧問弁護士の費用は、弁護士によって異なりますが、費用が高いと弁護士が有能ということなのでしょうか?

実際には、そういうものではありません、弁護士の費用は、各弁護士が自由に設定しているので、自分を高く売りたい弁護士は、能力に関係なく高い金額を設定することができるからです。高い顧問料を払ったからと言って、必ずしも自社のニーズに応じたサービスを受けられるものではありません。

ただ、専門性が高い業務に取り組んでいるので金額を高額にしている事務所があり、そういった場合には、一部能力と直結しているケースがあると言えます。また、複数のコース設定をしており、手厚いサービスのコースには料金を高額にしている事務所もあるので、自社のニーズに応じたサービスを選択しましょう。

顧問弁護士費用が安すぎる場合の問題

「顧問弁護士費用をなるべく抑えたい」という企業の方も多いでしょう。ただ、とにかく安ければ良い、という考えも危険です。料金が安い場合、サービスが薄くなっている可能性があるからです。

たとえば、顧問契約をしている場合、法律相談が無制限に無料という事務所もあれば、3時間まで無料とか、3回まで無料としている事務所もあります。事件を依頼したときの割引きがあるかないかによっても、顧問料が異なってきます。顧問契約をしても、無料相談枠がほとんどなく、事件依頼料の割引きも受けられないなら、顧問契約のメリットが非常に小さくなってしまいます。

たとえば、月額1万円やそれ以下の顧問料の場合、何か安いわけがあると考えるべきです。あまりに低い顧問料の弁護士に飛びつくのは、やめておきましょう。

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