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時効援用の方法は?債務整理をするのとどっちがお勧め?

  • 債務整理

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サラ金やクレジットカードなどで借金をしている場合、返済をしないまま長期間が経過することがあります。その場合、借金に時効が完成(成立)する可能性があります。そこで、時効はどのような場合に完成するのか、また、時効の効果を確実にするための「援用」の方法を、押さえておく必要があります。

また、借金の時効を待つのと債務整理で解決するのとでは、どちらにメリットが大きいのかも、考えてみまましょう。

以下では、借金の時効援用の方法と債務整理との比較について、弁護士法人YMPの弁護士が解説します。

借金の時効の期間

借金は、長期間返済していなければ、「時効」が完成します。借金の時効期間は、借金の種類によって異なります。

通常一般の借金の場合には、時効期間は10年です。ただし、サラ金やカード会社、銀行などの場合、借金の性質が商事債務となるので、時効期間は5年に短縮されます。こうした企業には営利目的があるため、法律上「商人」からの借り入れとなるためです。そこで、一般的な消費者ローンの場合、多くのケースで時効期間が5年となります。

信用金庫や公庫、保証協会や個人などからの借り入れでは、原則的な時効期間が適用されるので、10年となります。

借金の時効はいつから進行するか

時効を正しく計算するためには、時効の起算点を押さえておく必要があります。時効の起算点とは、いつから時効の期間を計算するかといことです。借金の時効の場合「最終弁済日の翌日」から時効期間を計算します。

たとえばサラ金からお金を借りて、最終返済日が平成24年6月30日だった場合には、翌日である平成24年7月1日からカウントを開始し、その5年後の平成29年6月30日の経過をもって、時効が完成することになります。

借金の時効援用とは

借金の時効期間が経過したとき、何もしなくても自然に時効の効果が得られるわけではありません。時効によって借金を消滅させるためには「時効の援用」という手続きが必要です。時効の援用とは、「時効の利益を受けます」という内容の意思表示です。時効が完成しても、あえてその効果を受けたくない人もいるので、こういった規定が設けられています。

もし、時効援用前に「借金を支払います」などと言ってしまうと、もはや時効の援用をすることができなくなるので、注意が必要です。必要な時効期間が経過したら、できるだけ早く、時効援用を行って確実に借金を消滅させることが大切です。

時効援用の方法

時効が成立したら、具体的にどのような方法で援用をすることができるのでしょうか?

この点、援用の方法について、法律上特に決まりはありません。そこで、口頭で「時効を援用します」と言っても、一応援用として有効となります。しかし、このような方法では、証拠が残りません。後で債権者から「そんなことは言われていない」「援用されていないから、借金は時効にかかっていない」などと言われると、言い返すことができなくなってしまいます。

そこで、時効を確実に援用するためには、証拠が残る方法を利用しなければなりません。具体的には「内容証明郵便」という郵便を使います。内容証明郵便とは、郵便局と差出人の手元に、相手に送ったのと同じ内容の控えが残るので、確実に内容を証明できるという郵便です。

内容証明郵便を送るときには、「配達証明」というサービスをつけておくことをお勧めします。配達証明とは、相手に送達されたときに、郵便局から通知を送ってもらえるサービスです。配達証明をつけておくと、相手にいつ内容証明郵便が送達されたかまで証明することができるので、より確実に時効援用の効果を得ることができるようになります。

時効援用する際の注意点

時効援用をするときには、確実に時効が成立していることを確認してから援用手続きを行うことが重要です。時効が成立していないのに援用をすると、そのこと自体が「債務承認」だと言われてしまうおそれがあります。債務承認すると、その時点で時効の進行が中断してしまい、また時効期間を始めから数え直しになってしまいます。先走って時効を援用すると、これまで借金を返済せずに待っていた期間が、すべて無駄になってしまうということです。

また、借金を長期間支払っていない人の場合、債権者に居場所を隠していることが多いです。ところが、内容証明郵便を送付する場合には、差出人の連絡先も記載する必要があります。このことで、債権者に対して居場所を知らせることになってしまい、これまで止まっていた督促が激しく行われるケースもあります。先走って時効援用してしまったことがやぶ蛇となり、借金の取り立てを受けてしまうということです。

時効が完成しているかどうかを確認する方法

本当に時効が完成しているかどうかを確認する方法としては、主に2つあります。

1つは、債権者から届いた書類を確認する方法です。債権者から督促状などが届いているときには、最終入金日などが書いてあることがあるので、こうしたものを見ると、時効の起算点を確認できます。

もう1つは、信用情報機関に個人信用情報の開示請求を行うことです。個人信用情報には、延滞情報等も載っているので、こうした記載を見ることにより、最終弁済日やそれに近い日にちを確認できることがあります。

時効と債務整理の比較

それでは、借金の時効完成を待って援用するのと債務整理するのとでは、どちらが効果的なのでしょうか?

結論的に言うと、債務整理をお勧めします。以下で、その理由を説明します。

時効は中断する可能性がある

時効は、5年や10年が経過しても、確実に成立するものではありません。時効には「中断」という制度があるためです。時効期間が進行している最中に「中断」が発生すると、時効の進行は止まってしまい、また始めから期間の計算のやり直しになってしまいます。数年ごとに時効の中断を繰り返されたら、時効が永遠に完成しないこともあるのです。

時効の中断事由の典型は、「裁判上の請求」です。そこで、債権者が裁判をすると、その時点で時効は中断してしまいます。しかも、確定判決に認められる時効期間は10年なので、裁判後さらに10年が経過しなければ、時効は成立しなくなります。

知らない間に裁判で時効中断される可能性がある

また、裁判は、債権者に居場所を知られていなくても起こされる可能性があります。裁判には「公示送達」という方法があるためです。公示送達とは、裁判所の掲示板に「裁判が起こっていますよ」という掲示を行うことにより、相手方に訴状などの書類が送達されたと擬製する手続きです。公示送達の場合にも通常の裁判と同様判決が出ますし、判決が出たら10年間時効が延長されます。そこで、夜逃げなどをして長期間借金を支払っていない場合でも、自分が知らない間に「公示送達」によって裁判を起こされている可能性があり、時効が中断されてしまいます。

これに対し、債務整理なら、そのときの状況に応じてもっとも適切な方法を選択し、確実に借金問題を解決することができます。債権者が裁判を起こしていても判決が出ていても、債務整理はできますし、給料などの強制執行が起こっていても、債務整理によって止めることができます。債務整理をすると、即時に債権者からの支払いを止めることもできるので、債権者から逃げ隠れする必要もなくなります。

ただし、債務整理をすると、個人信用情報に事故情報が登録されてしまうので、しばらくの間ローンやクレジットカードなどを利用できなくなる点がデメリットと言えます。

債務整理なら、確実に借金を整理できる

以上のようなことから、総合的に債務整理と時効援用を評価すると、基本的には債務整理がお勧めです。時効援用では確実に借金問題を解決することができませんが、債務整理にはそれが可能だからです。また、時効援用するためには長期間、債権者から逃げ隠れしないといけませんが、債務整理なら堂々と今の生活を守りながら借金を整理出来ます。
時効援用すべきなのは、確実に時効が完成している場合や、時効完成が直前に迫っているケースに限られてきます。

時効援用のご相談も弁護士へお気軽に

弁護士法人YMPでも、債務整理のサポートには非常に力を入れて取り組んでいます。もちろん、時効援用のご相談もお受けしております。借金問題に悩まれていて、時効が完成しているのではないかと思っている方や、債務整理とどちらが良いのか迷われている方は、是非とも一度、ご相談下さい。